[教えて、就キャリの社領さん!]今、就活生に伝えたいこと

対談

新型コロナウイルス感染症の余波は、就職活動にも大きな影響を与えています。
この状況下で就活生は何をすべきか。
大学側はどんなサポート体制を準備しているのか。
学生広報スタッフの2人が、就職・キャリア支援課の社領雅俊さんにオンラインで取材を行いました。

[ interview : 兵庫 沙耶花/松下 大輝 ]


コロナ下の就職活動、その現状と対策

——オンライン面接が主流になるなど、就活は例年にない様相を呈しています。現状、企業の採用活動はどうなっていますか。

客観的な指標として、株式会社ディスコが6月に発表した「2021年卒採用活動の感触等に関する緊急企業調査」を紹介します。オンラインの採用活動において、何が行われているのかを見てみますと、多いのが自社セミナー(会社説明会)のオンライン化で、次が個人面接です。その次は意外かもしれませんが、社員座談会・リクルーター面談もオンラインが増えてきています。集団面接やグループディスカッションは運用面に課題があるのでしょうか、10%に満たない程度です。内容も企業規模によってばらつきがあり、1000人以上のいわゆる大企業ほどオンライン化が進んでいる状況が見えます。

——今年の就活生の課題はオンライン選考をうまく乗り切っていくことと考えていいのでしょうか。

そういえるでしょう。対面とオンラインでは勝手が違いますので、学生さんが慣れなければいけない部分です。ディスコの調査では最終面接までオンラインで行うと回答した企業が約35%で、大手は半数を超えています。

——オンライン選考の技術面について、推薦できる情報源を教えてください。

「マイナビ2022」のこのページを参考にしてみてください。オンライン選考の種類や事前準備などについて、細かくアドバイスを掲載しています。

実は企業自身もオンラインの説明会や面接には慣れておらず、正解がないなか手探りで進めているのが現状です。そこで企業が相談を持ちかける対象となるのが、ナビサイトの運営会社です。ナビサイトは多くの企業と付き合いがあり、膨大な事例を知っています。そうした企業が公開している対策に目を通すのが、現時点では一番よい方法ではないでしょうか。

——スカウト型採用サービスの利用はおススメですか。

最近注目されていますね。学生の利用と企業の申し込みが増えていると聞いています。コロナ禍で企業と学生の接点が減っているため、企業側は母集団の形成が難しくなっています。待っていても優秀な学生が集まらないという思いがあるから、スカウト型採用サービスを利用し始めている。であれば、学生側もそこへ入っていかなければ選ばれる機会を逃してしまう可能性があります。検討すべき方法の一つです。

——オンライン面接と対面の大きな違いは何だと思われますか。

情報量を伝える手段です。対面は——例えば立ち振る舞いや雰囲気など、言葉以外から得られる情報が伝わります。その部分も含めて、この学生はうちに合いそう、営業に行かせたい、などといった判断がなされます。オンラインの場合、言葉にできない情報は伝わりにくい。したがって言葉の重要性が上がると考えられます。そこでこれまで以上に言葉を紡ぐ論理力が大切になるのではないでしょうか。論理的に物事を組み立てて、説明できる力。オンライン面接の準備としては、そこがポイントになります。

——たしかに、元気のよさなどはオンラインでどこまで伝わるのか実感できません。

ある大手企業の就職担当者が興味深い話をしていました。今までは待合室での動きなど、面接室に入るまでの振る舞いに素の部分が出るので、それも評価の対象にしていたけど、オンラインではできないと。対面の場合、仮に自己分析をキチンと行わずに未完成な自己PRで臨んだとしても、元気がいいなどと雰囲気で評価されていた面もありました。しかし、オンラインはその要素が少なくなる。オンライン選考では、今まで以上に自己分析を深めて、自己PRを準備しておくべきです。

——就職・キャリア支援課では今、どんな学生支援を行っていますか。

4月に学生に対して緊急アンケート調査を実施した際、「大学に期待する支援は何ですか」という質問に一番多かった回答が、今後の就活の進め方についてのレクチャーで、続いて面接対策や個別相談体制の充実という結果でした。要望の多かったものから順に対策を準備しています。
就活の進め方については、WebClassを通して「これからの就職活動の進め方」という講義を配信しています。「自己分析・自己PR作成WEB版2021」「面接対策WEB版2021」の講義もすでにWebClassで公開しました。
さらに、現在キャンパスに入構できないことを受け、オンラインでの就職相談を行っています。ウェブ環境が整わない学生もいますので、電話での相談も受け付けています。
さらに6月末からオンライン上での合同企業説明会を予定していて、企業説明会の動画を集めたサイトを立ち上げて提供します。ぜひ活用してほしいと思います。

就活生の情報交換と交歓の場、「追大オンラインルーム」を6月から開催

——ここからは学生広報スタッフのお二人から、それぞれ社領さんに質問してください。今、不安に思っていることなどはありませんか。

兵庫 オンライン面接だけで内定が出てしまうケースもありますが、それではお互いを十分理解できないという懸念はないでしょうか。

社領 今回のコロナの影響で、得られたものと失われたものがあると感じています。得られたものとしては業界や企業の事業内容や仕事内容など「客観的情報」を得る機会が多くなっていること。例えばオンデマンドの説明会など、自宅にいながらでも企業を知る機会が提供されています。自分に向いている会社か、働きがいがあるか、などを吟味できる状況が増えています。一方、失われたものは情緒的な情報です。会社に訪問して雰囲気を知る、企業の担当者の人柄を見るなど、そういった「情緒的情報」です。

兵庫 まさにそこが不安な点です。オンラインでは社風までわからないのでは。

社領 社風というのは、同じ会社でも配属された部署や周りの人によってまるで変わってしまうものです。大事なのはその会社でどんなキャリアを歩めるか、どんな仕事ができるのかということ。そのための情報は、むしろコロナ下で多く得られるようになっています。今までは情緒的な情報で企業を選びがちだったかも知れませんが、この機会に客観的な情報で選ぶようにしてはどうかと思います。さらに、この状況で働き方をうまく改革したり、業界的に苦しいなかでも売上げを伸ばしたり、危機に対して柔軟に対応している企業をよく見ておいてください。危機対応も社風の表れですから、判断基準にできます。

松下 筆記試験の対策について迷っています。

社領 筆記試験は意外と暗記の要素がありますので、1冊の対策本を繰り返して公式を覚えていくといいでしょう。ちょっとした努力が点数につながります。準備をしておいてください。また、9割を超す大半の企業が何らかのテストを課すといわれています。だから筆記対策は重要。そのためには、受けようとしている企業の試験のタイプ(SPI、GAB、玉手箱など)を把握しておくことも大切です。

——就職・キャリア支援課から受けたいサポートはありますか。

兵庫 採用スケジュールが伸びていることで、夏休みにも就活に励む学生が多くなると思います。オンラインや電話での相談は、夏休み期間でも受け付けていますか。

社領 受け付けます。大学が閉まる「夏期休暇期間」を除けば、夏休み期間も業務を行っていますので、何かあれば相談してください。

松下 就職・キャリア支援課でオンライン添削をしていただけると聞きました。自分も利用したいと思っています。

社領 添削してほしいものをメールで送ってもらい、我々がチェック、添削したものをZoomのオンライン相談で、画面を共有しながら添削物を見せ合ってアドバイスします。

松下 対面と変わりありませんか。

社領 事前に送ってもらっている分、じっくり添削できますので、持ち込みのとき以上に深く読み込めていますよ。

兵庫 キャンパスに行けない状況で周りの学生と関われていません。周囲の状況が見えないのは不安なことで、それをフォローする取り組みはありますか。

社領 それは本当に課題だと思っています。それを受けて6月18日から「追大オンラインルーム」という名称で、オンライン上で気軽に情報交換ができる場を設けました。皆さんからの質問に就職・キャリア支援課のスタッフが答えたり、学生同士でWEB面接の対策について情報交換を行ったりしています。進行は就職・キャリア支援課のスタッフがおこなっているので安心して参加してください。

兵庫 参加します! 大学全体の流れと、その中での自分の立ち位置が見えないので、そのようなイベントはすごくありがたいです。

松下 その場では学部を超えて情報交換したいですね。自分は経済学部なので金融や商社志望の学生が多いのですが、他学部の学生がどんな企業を受けているのかなど、ぜひ聞いてみたいと思います。このイベントが大きな規模で開催されれば、多くの情報を入手できて参考になります。

社領 就活生の不安が少しでも軽減され、前向きに就活に臨める助けになればと思います。


就職キャリア支援課からの補足情報
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